HSBCグローバルリサーチは最新リポートで、車載電池大手のCATL(
03750)のカバレッジを開始し、目標株価を359HKドルに設定した。投資判断は「買い」とした。CATLは事業規模、先端技術、品質管理の優位性を強みに価格交渉能力が高いと分析。2023年には、同社の営業利益が中国国内の電気自動車(EV)用電池サプライチェーン全体の87%を占めたという。22年以降はEVの価格競争が激しくなり、リチウム価格も下落したにもかかわらず、同社の利益は依然として底堅いと評価した。『AAストックス』が11日伝えた。
HSBCは、EV市場の供給過剰が同社に及ぼす影響は限定的で、設備稼働率も引き続き高水準を維持する見通しだとして、業界の再編が加速する中でも利益率を維持できるとの見方を示した。海外市場についても、CATLのシェアは拡大傾向にあり、海外での生産体制を構築しつつあると指摘。中国企業が関税問題に直面するなか、海外展開を続けることが可能だとした。HSBCの予測では、CATLの海外生産能力が全体に占める割合は、24年の2%から27年には10%に達する見込み。
一方、エネルギー貯蔵システム用電池はCATLの23年売り上げの16%にとどまった。ただ、HSBCは成長余地が大きい分野とみており、2025−27年の出荷量の年平均成長率は21%と、EV用電池の13%を上回ると予測している。
CATLの株価は日本時間午後4時36分現在、前日比2.87%高の308.20HKドルで推移している。