2025-06-09 |
中国/政策/その他 |
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中国、社会保障制度の公平性向上と低所得者層支援強化を決定
中国共産党中央委員会と国務院は9日、国民生活の向上に向け、社会保障制度の強化、低所得層への支援、基本的公共サービスの均等化を推進する方針を示した。新たな方針は、急速に変化する経済環境の中で、貧困層や社会的弱者を支援する施策をさらに強化し、社会の安定を図る狙いがある。
方針ではまず、社会保障制度の拡充が重要課題として掲げられた。特に、社会保険のカバー範囲を拡大し、農民工や柔軟な雇用形態の人々を対象とした保険制度を整備することを目指す。また、都市部と地方における保険加入の格差を是正するため、就業地での社会保険加入に関する戸籍制限を全面的に撤廃。都市に住むすべての人々が基本的な社会保険にアクセスできるようにする施策を進める。
さらに、低所得層への支援を強化する。ビッグデータを活用した支援対象の判別を精緻化し、生活困窮者を迅速に救済するための社会救助範囲を拡大する。特に、最低生活保障(生活保護)の引き上げとともに、低所得者層向けの雇用促進策や支援を推進し、低所得層の生活の質を向上させる。
また、公共サービスの質と均等化にも重点を置いている。地域ごとに異なる社会福祉基準を調整し、公共サービスの提供が都市と農村で平等になるよう調整を進める。特に、教育、医療、住宅に関するサービスが強化され、農村部や貧困地域への資源配分が優先される予定だ。
今後5年間で、高等教育と医療サービスの質を大幅に向上させるため、資金の投入が行われる。高齢化社会への対応として、包摂型の介護サービスや子育て支援が推進され、育児・介護サービスの拡充を進める。