UBSは最新リポートで、中国の自動車・電池メーカー、BYD(
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UBSはまた、BYDの海外事業からの利益貢献も中国市場における価格競争を資金面で支えると分析。25年の1台当たり利益は微増すると予想した。BYDに対するポジティブな見方を維持し、投資判断を「買い」、目標株価を540HKドルに設定した。
ただ、今回の値下げが直ちに販売増に結び付く可能性は低く、消費者はさらなる値下げを期待して様子見姿勢を取る可能性があると指摘。自動車メーカーの限界費用の低下や業界の細分化、資本市場や地方政府などからの資金支援が続くことを踏まえ、UBSは価格競争が今後も続くと予想した。長期的には、価格競争が国内自動車メーカーの効率化と技術革新を促し、海外市場でより高い利益を獲得することで、国内の価格競争を支える構図になるとした。
BYDの株価は日本時間午後4時57分現在、前営業日比1.54%安の396.80HKドルで推移している。