2025-06-09 |
中国/業界動向/自動車・二輪 |
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自動車各社の値下げ競争を批評、「産業に打撃」=人民日報
中国共産党機関紙『人民日報』は9日、最近ある自動車メーカーが大幅な値下げを先導し、他社も追随したことで、新たな値下げ競争への懸念が広がっていると警告する論評を掲載した。無秩序な値下げ競争は自動車産業の健全かつ持続可能な発展を阻害し、最終的には消費者の利益も損なうと指摘した。長期的に見れば、値下げという内向きの過当競争には出口も未来もないと論じた。
論評は、自動車業界の構造に言及し、「自動車産業は値下げ競争に耐えられない」と強調。産業チェーンが長く、完成車製造を中心に、上流には原材料供給や部品製造、技術開発などがあり、下流には販売、修理といった分野が連なる。業界全体が密接に連動しているため、無秩序な値下げ競争はサプライチェーンの各段階の利益を圧迫し、業界全体に衝撃を与える。結果として、多くの従事者が収入減少のリスクに直面するとした。
また、利益が度重なる削減に直面した場合、一部企業が経営難に陥ると、板金や部品の基準を緩め、アフターサービスやメンテナンスを怠るなどの危険な行為に出る可能性を排除できないと指摘。これは製品の安全性、品質、サービスに悪影響を及ぼし、消費者の権利を著しく侵害することになると述べた。