ゴールドマン・サックスは最新リポートで、中国本土のインターネット企業の2025年1−3月期の売上高が堅調で、純利益も市場予想を上回ったものの、4−6月期の収益性について慎重姿勢を示した。プラットフォームのエコシステム、ネット出前の補助金、人工知能(AI)、海外展開への投資が増加していることを理由に挙げた。『AAストックス』が30日伝えた。
投資家は主に三つの問題に焦点を当てていると指摘。一つ目は、ネット出前とEコマースの再投資。PDDホールディングス(PDD)の1−3月期の利益が予想を下回ったことや、JDドットコム(
09618)がネット出前分野への参入から3カ月で1日平均2000万件の注文を達成するという顕著な進展を遂げたことなどを鑑み、投資家はこの競争の継続期間と強度、異なる最終シナリオにおけるリスク・リターンに関心を寄せている。これを踏まえ、ゴールドマンは中国のネットセクターでEコマース分野の選好度を3位から4位に引き下げた。
第2の注目点はAI応用の受益企業。テンセント(
00700)の「広告+ゲーム」事業は、AIの広告技術およびゲーム体験への応用による恩恵を最も直接的に受けると分析。快手科技(
01024)の文字から映像を生成する生成AI「可靈AI」も世界市場で順調に拡大しているとした。一方で、AIアシスタントの最終形態を巡っては、テンセントの微信のようなスーパーアプリが主導するのか、あるいは小米集団(
01810)のようなスマートフォンメーカーが主導するのか、意見の分かれる状況にある。
第3の注目点は、地政学的リスクと関税政策の影響。投資家の間では、これら外部要因に対する対応策が引き続き焦点になっている。
ゴールドマンは25年の中国ネットセクターにおける5大テーマの優先順位を見直した。ゲーム分野を最も有望なサブセクターとして据え置き、安定的な構造を持つ配車サービスを2位とした。垂直統合型のネット事業分野については、より高い市場参入障壁と有利な競争構造を理由に、順位を第4位から第3位へと引き上げた。
推奨銘柄としては、ゲーム分野ではテンセントとネットイース(
09999)を挙げ、配車サービス分野では満幇集団(YMM)を選好。垂直統合型のインターネット分野では小米とトリップ・ドットコム(
09961)を推奨し、電子商取引分野ではJDドットコムと快手科技を有望視した。