30日の香港市場でスマートフォン関連銘柄が安い。ハンセン指数構成銘柄の舜宇光学科技(
02382)やBYDエレクトロニック(
00285)などが大きく下げている。米調査会社IDCが2025年のスマートフォンの世界出荷台数予想を下方修正し、嫌気した売りが出たもよう。
IDCは29日、今年のスマホ出荷台数が世界全体で前年比0.6%増の12億4000万台となる見通しを示した。2月に発表した従来予想は2.3%増だった。下方修正の理由として、インフレや失業など各国経済の課題や米政権の関税政策の影響による消費の減速を挙げた。ただ、中国については、政府補助金による需要喚起とアンドロイドOS対応機種の底上げにより成長率が3%に達すると予測している。
IDCのシニアリサーチディレクター、ナビラ・ポパル氏は、スマホは現時点では関税免除措置の恩恵を受けているが、トランプ米政権は米国外で製造されたスマホに対する追加関税を検討中と伝わっていると指摘。「端末メーカーが長期的な戦略を立てることが困難になっている。とりわけ米国向けに出荷するメーカーは、サプライチェーンを多様化すると同時に、複雑な地政学的リスクにも対応せねばならない」と語った。
関連銘柄の30日前場終値は次の通り。
■BYDエレクトロニック(
00285):31.50HKドル(前日比4.98%安)
■舜宇光学科技(
02382):60.20HKドル(同4.97%安)
■高偉電子(
01415):22.15HKドル(同3.06%安)
■瑞声科技(
02018):36.20HKドル(同4.99%安)
■鴻騰六零八八精密科技(
06088):2.04HKドル(同4.67%安)