中国ネット通販大手のアリババ集団(
09988)と独ソフトウエア大手のSAPは27日、戦略提携を結んだと発表した。先進的なクラウド・人工知能(AI)技術を使った企業向けデジタルトランスフォーメーション(DX)支援サービスなどで協力する。
提携の下、SAPの企業向けソフトウエアにアリババのクラウドインフラやAI機能を組み合わせる。アリババ集団の「アリババクラウド」が、SAPのインフラストラクチャー・アズ・ア・サービス(IaaS)認証プログラムに参画し、SAPの企業向けクラウドソリューションを利用する顧客へのサポートを提供する。一方、アリババ集団は「SAPクラウドERP」プライベート版を業務インフラとして活用する。
提携業務はまず中国市場で確立させた後、東南アジアや中東、アフリカへ市場を広げていく予定。共同市場戦略を策定した上で、幅広い産業分野のグローバル企業向けに、地域ごとのニーズに応じたソリューションを提供することを目指す。
両社は提携のなかで、AIサービスの統合も進める。SAPは中国で提供する「SAP AIコア」内の生成AIハブにアリババの大規模言語モデル「通義千問(Qwen)」を取り込み、企業ユーザーがSAPアプリケーションやカスタムAIアプリケーションを通じて、ローカライズされた生成AI機能を活用できるようにする方針。また、SAPは中国の顧客向けに「SAP AIファウンデーション」をアリババクラウド上で展開することも検討している。