8日の香港株式市場で、ハンセン指数は6営業日続伸。終値は前日比0.37%高の22775.92ポイントだった。中国企業指数は0.70%高の8300.25ポイント。メインボードの売買代金は概算で1858億9000万HKドル。
ハンセン指数は反落して寄り付いたものの朝方に上げに転じ、じりじりと上げ幅を拡大。米国と中国の閣僚が週末にスイスで貿易交渉を始める上、トランプ米大統領が貿易協定に関する記者会見を米東部時間8日午前10時(香港時間同日午後10時)に開くと自身のSNSに投稿したことで、世界的な貿易紛争への過度な懸念が和らいだ。ハンセン指数は中盤、50日移動平均(大引け時点で22802.60ポイント)を上抜けた。しかし、後場に入ると上げ幅を縮小し、結局同水準を割り込んで終えた。週末にかけて中国の4月の貿易統計と物価統計が発表されるとあって、積極的な売買を手控えるムードが次第に広がったもよう。セクター別では情報技術が上げた半面、素材が下げた。
ハンセン指数構成銘柄では、大型ネット株の美団(
03690)とテンセント(
00700)、金融株の招商銀行(
03968)と中国人寿保険(
02628)が買われ、相場の上昇を主導した。新興電気自動車(EV)メーカーの理想汽車(
02015)が5%近く上昇。傘下EVメーカーのZEEKRの上場を廃止する方針を明らかにした吉利汽車(
00175)も大きく買われた。医薬品受託開発の薬明生物技術(
02269)は大幅に反発した。半面、即席麺大手の康師傅控股(
00322)、中国検索大手の百度(
09888)が続落。半導体ファウンドリーのSMIC(
00981)が下落。トランプ米政権がバイデン前政権による人工知能(AI)半導体輸出規制の撤廃を検討していると伝わり、中国の半導体国産化に不利との見方から売られた。
ハイテク銘柄で構成するハンセンテック指数は0.56%高の5228.91ポイントと3日ぶりに反発した。理想汽車と同業の小鵬汽車(
09868)が上昇した。半面、自動運転技術の地平線機器人(
09660)が大幅に続落した。