2024-04-15 |
中国/政策/証券 |
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中国国務院、資本市場の振興策「国9条」公表
中国の国務院(内閣に相当)は12日、資本市場振興の基本政策を示した「リスクコントロールの強化と資本市場の質の高い発展の促進に関する意見」を公表した。上場企業や機関投資家を監督する体制を整備し、株式市場への信認を高めるため、上場基準の厳格化、上場廃止ルールの確立、違法行為の取り締まり強化、中長期資金の呼び込みなどの政策指針を盛り込んだ。
「意見」は9項目で構成され、「国9条」と呼ばれる。中国経済紙『中国証券報』によると、「国9条」の発表は2004年版、2014年版に続く3度目となる。主な内容は次の通り。
1、全体目標:今後5年間で資本市場の質の高い発展に向けた全体的な枠組みを基本的に形成する。2035年までに高い適応性と競争力を備え、インクルーシブな資本市場が基本的に完成し、投資家の合法的な権益が一段と有効に保護される。今世紀半ばには金融強国に匹敵する質の高い資本市場の建設が完成する。
2、株式発行と上場の基準厳格化:メインボードと創業板の上場基準を引き上げ、科創板のハイテク・イノベーション評価基準を整備する。審査において企業や仲介機構への立入検査の範囲を拡大する。上場時に配当方針を開示する必要があることを明確にする。
3、上場企業の継続的な監督を強化:情報開示とコーポレートガバナンス(企業統治)の監督を強化する。大株主、特に支配株主および実質支配者が持ち株を減らすことを厳しく規制。長年にわたって無配を続け、配当性向が低い企業については大株主の持ち株売却を制限し、リスクがあることを示す警告マークをつける。一方で配当が優良な企業に対するインセンティブを拡大し、配当性向を引き上げる措置を講じる。配当の安定性、持続性、予見性を高め、年度に複数回の配当や春節(旧正月)前の配当を推し進める。上場企業の投資価値の向上を促進する。上場企業の市場価値管理ガイドラインを策定する。
4、上場廃止の監督を強化:強制上場廃止の基準を一段と厳格化する。分野ごとに差別化された上場廃止基準体系を確立する。業績が悪い企業を買収することで裏口上場を果たす「ヤドカリ上場」と呼ばれる手口を取り締まる。
5、証券・基金機関の監督を強化し、本業への回帰を促進してより良く、より強くする。
6、取引の監督を強化: 異常な取引や市場操縦に対する規制基準を整備する。 プログラム取引の監督規定を打ち出し、高頻度取引の監督を強化する。
7、中長期資金の呼び込みを促進:長期保有・長期投資を支援する政策体系を構築する。エクイティ公募ファンドの発展に力を入れ、比率を高める。ETFの快速審査チャネルを構築し、インデックス投資の発展を推し進める。