英金融大手のHSBC(
00005)は9日前引け後、南米アルゼンチン部門を同国最大の民営金融グループ、グルポ・フィナンシエロ・ガリシアに5億5000万米ドルで売却すると発表した。売却に伴い、2024年1−3月期に10億米ドルの税引き前損失を計上する見通し。
売却実施には関連当局の認可が必要となる。手続きは12カ月以内に完了すると見込む。HSBCのノエル・クイン最高経営責任者(CEO)は「今回の取引は我々の戦略実施に向けた重要で新たな一歩となる。資源をわが社の国際的なネットワークにある、より高い価値を生む商機に振り向けられる」と述べた。
グルポ・フィナンシエロ・ガリシアがHSBCのアルゼンチンでの銀行や資産運用、保険業務を全て取得し、アルゼンチン部門が発行してHSBCの他の部門に割り当てた1億米ドル相当の劣後債も引き受けることで合意した。HSBCは代価として現金と約束手形のほか、グルポ・フィナンシエロ・ガリシアの米預託証券(ADR)を受け取る。ADRは代価のほぼ半分を占め、グルポ・フィナンシエロ・ガリシアの権益の10%未満に相当する。
HSBCの株価は日本時間午後3時27分現在、前日比1.19%高の63.95HKドルで推移している。