世界有数の総合金融グループ、HSBC(
00005)の艾橋智最高財務責任者(CFO)はこのほど、アジア市場の業務を強化するため、12の市場業務の売却またはスリム化を検討していることを明らかにした。対象となる市場やスケジュールなど詳細は明らかにしていないが、いずれも規模は小さく、HSBCの業務全体に大きな影響が及ぶことはない見通し。『明報』が25日、外電を引用して伝えた。
HSBCの2022年の税引き前利益のうち、アジア業務が占める割合は78%に上っており、大株主の中国平安保険(
02318/
601318)はHSBCに対し、アジア事業のスピンオフを積極的に進めるよう求めていた。
HSBCは各地区の業績を明らかにしていないため、どの地区が売却対象になるのか不明だが、市場では欧州とラテンアメリカ業務の売却に注目が集まっている。一方、艾CFOは、メキシコ業務は好調であるとし、検討対象に入っていないと明らかにしている。
HSBCはアジア業務の強化に伴い、過去2年間で米国やフランス、ギリシャ、ロシア、カナダなどの全業務または一部業務の売却を進めている。
HSBCの株価は日本時間午前10時41分現在、前日比1.94%安の58.10HKドルで推移している。