格付け会社フィッチ・レーティングスは14日、広州富力地産(
02777)の長期外貨建て発行体デフォルト格付けを、「RD(一部デフォルト)」に引き下げたと発表した。「RD」は部分的な債務不履行(デフォルト)を示す。これまでの格付けは「C」だった。
格下げは、広州富力地産が提案した米ドル建て債の償還延期と前倒し買付の完了を受けて実施した。フィッチは、広州富力地産の流動性は限られているため、米ドル建て債のデフォルトを回避するには条件変更が必須だったものの、条件変更は同ドル建て債の価値を減損させたと指摘した。
広州富力地産は昨年12月、7億2500万米ドル規模の社債の償還を6カ月延期するよう社債保有者に要請した。対象社債は残高2億6500万米ドルと残高4億6000万米ドルの2本(金利はいずれも5.75%)で、ともに償還期日を2022年1月13日から同年7月13日へ先延ばしする。同米ドル建て債の前倒し買付も提案した。選択肢が2つあり、元本1000米ドルについてオプションAでは830米ドルで買い取り、オプションBでは1000米ドルで買い取るが応募の50%だけが受け付けられる。
広州富力地産の14日終値は前日比1.89%安の3.12HKドル。