巨額の債務危機に陥っている不動産デベロッパー中国大手の中国恒大集団（03333）はこのほど、香港で開発中の住宅プロジェクトを、事業合弁パートナーの鼎珮集団（VMS）に売却することで合意した。『香港経済日報』が19日伝えた。

　売却額は明らかになっていない。中国恒大集団が売却で合意したのは九龍半島の長沙湾（ネイバーフッド）で建設を進めている「恒大・睿峰（ベルテックス）」。債務危機が明らかになって以降、香港で初の資産売却となる。鼎珮集団は建設のほか、未販売の物件190戸の販売も引き受ける。

　中国恒大集団によると売却済みの224戸の平均販売価格は約890万HKドルで、建物の住宅部分の市場価格は約17億HKドル。延床面積3万平方メートルの商業施設と30台分の駐車スペースを含めたプロジェクト全体の市場価格は約24億HKドルに上るとみられる。

　住宅物件は2019年末に販売開始したが、香港の不動産仲介業者2社が中国恒大集団に対し、代理販売手数料4748万HKドルの支払いを求めている。