生活関連サイト運営の美団(
03690)は20日朝方、転換社債の発行と増資の計画を発表した。正味で約100億米ドルを調達し、無人配送車やドローン配送の技術開発などに投じる。
増資は大株主のテンセント(
00700)による既存株式の売り出しに第三者割当増資を組み合わせた「先旧後新」方式と、テンセントによる新株引き受けの2通りで行う。
「先旧後新」では、テンセントが保有する美団株のうち1億8700万株(発行済み株式の3.2%)を機関投資家などに向けて売り出した後、美団が同数の新株を発行してテンセントに割り当てる。正味調達額は約66億米ドルに上る。売出価格と割当価格はともに1株当たり273.80HKドルで、19日終値の289.20HKドルを5.3%下回る水準。なお、「後新」分の新株1億8700万株は2020年5月に開いた定時株主総会で取締役会に認められた権限で発行する。一方、テンセントによる新株引き受けについては、今年6月に開く定時株主総会でテンセント以外の株主に承認を求める。発行規模は1100万株(発行済み株式の0.2%)、1株当たり引受価格は273.80HKドルで、正味調達額は4億米ドルを見込む。
転換社債は、返済期限別に2027年4月満期と2028年4月満期の2本建てで起債する。正味調達額はそれぞれ14億8570万米ドル、14億8580万米ドル。ともに1株431.24HKで美団のクラスB普通株に転換できる。転換権が全て行使された場合、美団は5400万株(発行済み株式の0.9%)の新株を発行する見通し。
テンセントが現在保有する美団株は10億4300万株(発行済み株式の17.7%)。増資が完了し、転換社債が全てクラスB普通株に転換されると、テンセントの保有株数は10億5400万株に拡大するが、持ち株比率は17.2%に低下する。
美団の株価は日本時間午前11時17分現在、前日比1.18%高の292.60HKドルで推移している。