週明け9日の香港市場は続伸スタートか。米大統領選で民主党のバイデン候補の当選が確実となり、7日(日本時間の8日)に勝利宣言を行った。トランプ大統領は敗北を認めず、法廷闘争する構えをみせているものの、政治的な混乱が続くことへの懸念は薄れており、投資家は運用リスクを取りやすくなるだろう。もっとも、大統領選を巡る不透明感の後退でハンセン指数は先週、週間で6.7%高と大幅に反発しただけに、利益確定売りが重荷になりそうだ。
前週末のNY市場でダウ平均が5営業日ぶりに反落し、ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は小幅に5営業日続伸した。6日の香港株の米国預託証券(ADR)は、欧州金融のHSBC(
00005)、中国国有銀行の中国建設銀行(
00939)が香港終値を下回った半面、IT大手のテンセント(
00700)、ネット通販大手のアリババ集団(
09988)、アジア生保のAIAグループ(
01299)が上回って引けた。香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日終値を120ポイント超上回る水準で寄り付くことになる。
中国の税関総署が7日発表した2020年9月の米ドル建て貿易統計は、輸出が前年同月比11.4%増と市場予想の9.3%増を上回った。前月から1.5ポイント加速し、2019年3月(14.2%)以来1年7カ月ぶり高水準となった。輸出が好調だった半面、輸入は4.7%増と予想の9.5%増、9月の13.2%増を下回った。あす10日には10月の物価統計の発表が予定されているほか、今週中に金融統計も発表される見通し。