1日の香港市場は軟調な展開か。米国防省が先週末に中国人民解放軍が支配する関連企業として11社を軍関連企業に指定するなど、米中対立の激化が続いているほか、前日には中国人民解放軍とインド軍がヒマラヤ近くの国境係争地で衝突したと伝わった。米中関係や地政学的リスクが引き続き懸念材料になりそうだ。前日のハンセン指数は強気と弱気の分かれ目とされる250日移動平均(大引け時点で25776.86ポイント)に一時乗せたものの、同水準付近では売り圧力が強まり、結局終盤に失速して安値で引けた。
前日のNY市場でダウ平均は4営業日ぶりに反落した。月末とあって、足元で上昇していた景気敏感株を中心に利益確定売りが優勢だった。ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は続伸して過去最高値を更新した。8月31日の香港株の米国預託証券(ADR)はHSBC(
00005)、テンセント(
00700)、AIAグループ(
01299)、中国建設銀行(
00939)といった大型銘柄が香港終値を下回って引けた。香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日終値を150ポイント超下回る水準で寄り付くことになる。
きょうは日本時間午前10時45分に8月の財新中国製造業購買担当者景気指数(PMI)が発表される。市場コンセンサス予想は52.6、前月実績は52.8。一方、中国国家統計局と中国物流採購聯合会が31日発表した8月の製造業PMIは51.0となり、前月比0.1ポイント低下し、市場コンセンサス予想(51.2)を下回った。