11日の香港市場で米株高の流れを引き継ぎ買いが先行するか。前日のNY市場でダウ平均が357米ドル高と7営業日続伸し、5カ月半ぶり高値で終えた。トランプ米大統領が失業給付の上乗せや給与税の納税猶予などの大統領令に署名したことを受け、目先の景気悪化に対する懸念が後退。年内に新型コロナウイルスワクチンが承認されるとの期待も地合いを支え、景気敏感株が買われた。香港市場ではハンセン指数が前日に約1カ月半ぶり安値で終えただけに、買い戻しは入りやすい状況にある。
もっとも、米中関係のさらなる悪化に対する警戒感が根強く、買い一巡後は上値の重い展開になる可能性がある。テクノロジー産業を巡る対立に加え、米閣僚の台湾訪問にも中国が激しく反発している。中国共産党系メディアの『環球時報』は10日、「米中関係は国交樹立以来、最も深刻な時期に直面している」と指摘した。
10日の香港株の米国預託証券(ADR)は欧州金融大手のHSBC(
00005)、中国IT大手のテンセント(
00700)、アジア生保大手のAIAグループ(
01299)などが香港終値を上回って引けた。香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日終値を100ポイント超上回る水準で寄り付くことになる。