31日の香港市場は売りが先行か。香港を含む各国で新型コロナウイルスの感染が拡大するなか、景気の不透明感が投資家心理を悪化させそうだ。米商務省が30日発表した4−6月期の実質国内総生産(GDP)速報値は前期比年率換算で32.9%減と、統計がある1947年以降で最大のマイナス幅となった。きょうの寄り付き前には中国国家統計局が7月の製造業購買担当景気指数(PMI)を発表する。米中対立の先鋭化も引き続き相場の重荷となるだろう。『香港経済日報』はハンセン指数が「50日移動平均(30日終値時点で24674.97ポイント)を割り込めば、24000ポイントまで下値余地がある」との見方を伝えた。
もっとも、中国政府が打ち出す経済対策や金融緩和への期待から、ニューエコノミー株や内需関連株が買われて相場を下支えする展開がありそうだ。中国共産党の中央政治局は30日、習近平総書記(国家主席)が主宰する会議を開き、現在の経済情勢を分析した上で下半期の経済政策を検討した。
一方、30日の米株式市場ではダウ平均が反落したものの、ハイテク株主体のナスダック総合が続伸した。同日の香港株の米国預託証券(ADR)は、銀行株のHSBC(
00005)と中国建設銀行(
00939)、香港公益株のホンコン・チャイナガス(
00003)が香港終値を下回った半面、保険大手のAIAグループ(
01299)、中国政府系コングロマリットの中国中信(
00267)が上回って引けた。