10日の香港株式市場で、ハンセン指数は3日ぶりに反落。終値は前日比1.84%安の25727.41ポイントだった。中国企業指数は2.23%安の10541.26ポイント。メインボードの売買代金は概算で1945億6000万HKドルだった。
ハンセン指数は始値で心理的節目の26000ポイントを割り込んだ。前日終値は約4カ月ぶりの高値圏だっただけに、利益確定売りが優勢。前日のNY市場でダウ平均が下落したことが嫌気され、投資家がリスク回避姿勢を強めた。米国では8日の1日当たりの感染者数が過去最多となり、経済活動の再開期待が一段と後退した。きょうの香港の新型コロナ感染者数が30人に上ったと伝わるとハンセン指数は後場に下げ幅を広げ、終値は3日以来1週ぶりの安値圏となった。中国本土相場の下落も市場心理を悪化させた。
ハンセン指数構成銘柄では中国人寿保険(
02628)など金融株が総じて下げ、時価総額が大きい中国インターネットサービス大手のテンセント(
00700)が売られて相場の重荷となった。エネルギー株のペトロチャイナ(
00857)と中国神華能源(
01088)、スマートフォン部品メーカーの舜宇光学科技(
02382)も大幅に下落した。半面、自動車メーカーの吉利汽車(
00175)が大幅に反発。医薬品株の中国生物製薬(
01177)と石薬集団(
01093)が買われた。
そのほかでは光大証券(
06178)や招商証券(
06099)など証券株の下げが目立った。保険大手の中国人民保険(
01339)と子会社の中国人民財産保険(
02328)は大幅安。中国政府系金融持ち株会社の中国光大控股(
00165)、北京市政府傘下の北京控股(
00392)も安い。一方、株式取引をきょう再開したエスプリ(
00330)が急騰。2位株主が取締役の交代を要求したことで、臨時株主総会に向けた委任状争奪戦への思惑買いが膨らんだもよう。半導体ファウンドリーのSMIC(
00981)は大幅に3日続伸。