週明け29日の香港株式市場でハンセン指数は3営業日続落。終値は前営業日比1.01%安の24301.28ポイントだった。中国企業指数は0.97%安の9757.69ポイント。メインボードの売買代金は概算で1330億1000万HKドルだった。
ハンセン指数は小高く寄り付いたものの、ほどなくしてマイナス圏に沈み、下げ幅を拡大した。米国で新型コロナウイルスの感染拡大を防止するためにテキサス州やフロリダ州が一部経済活動の規制を再び強化したことを受け、経済の正常化が遅れるとの懸念や、連休明けの本土市場が下げたことが地合いを冷やした。全国人民代表大会(全人代)常務委員会で審議されている「香港国家安全維持法」があす30日に採決される可能性が高いと香港メディアが伝えており、香港情勢の緊迫化や米中関係の悪化も警戒された。指数は24200ポイント付近で下げ渋ったものの、終値は6月15日以来、約2週間ぶり安値を付けた。
ハンセン指数構成銘柄では、時価総額の大きいAIAグループ(
01299)とHSBC(
00005)が2%前後の下落となり、指数を押し下げた。太古A(
00019)、香港鉄路(
00066)など香港地場系銘柄や、民営自動車メーカーの吉利汽車(
00175)、製薬株の石薬集団(
01093)の下げが目立った。通信キャリアのチャイナ・ユニコム(
00762)、チャイナ・モバイル(
00941)が大幅に続落。半面、電動工具大手の創科実業(
00669)が逆行高。中国当局が商業銀行に証券業免許を与える計画を本土経済誌が報じたことを受け、中国国有銀行の中国建設銀行(
00939)に思惑買いが入った。
中国企業指数構成銘柄では、26日大引け後に2020年3月本決算を発表した中国ガス(
00384)は9%安と急落。同業の華潤ガス(
01193)や、損害保険の中国人民財産保険(
02328)、証券大手の中信証券(
06030)の下げがきつい。半面、セメント大手の安徽コンチセメント(
00914)、医薬品流通大手の国薬控股(
01099)が買われた。