週明け15日の香港市場は軟調な展開か。国内外で新型コロナウイルスの感染「第2波」への懸念が高まり、相場の重荷となりそうだ。4月中旬以降、約2カ月近く新型コロナの新たな感染者が確認されなかった中国の首都北京で集団感染が発生し、市政府は14日の記者会見で「非常時に入った」と宣言した。米国でも、テキサスやフロリダなど複数の州で新型コロナの感染者数が再び増加に転じている。前週末の香港市場でハンセン指数が3日続落した後とあって、反発狙いの買いが入りやすいものの、「第2波」で経済の正常化が遅れるとの警戒感からリスクを取る動きは限られる可能性がある。
中国本土できょう日本時間の午前11時に5月の鉱工業生産、小売売上高、1−5月の固定資産投資などの主要経済指標が発表される。当初は記者会見を予定していたものの、北京市の感染状況を受けて急遽、オンラインでの発表に変更した。
12日のNY市場でダウ平均が4日ぶりに反発。ハイテク比率の高いナスダック総合指数も反発して終えた。同日の香港株の米国預託証券(ADR)は、欧州金融大手のHSBC(
00005)、IT大手のテンセント(
00700)、中国国有銀行の中国建設銀行(
00939)、アジア生保のAIAグループ(
01299)などが香港終値を下回って引けた。香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日終値を50ポイント超下回る水準で寄り付くことになる。