10日の中国本土株式市場で、上海総合指数は4営業日ぶりに反落。終値は前日比0.42%安の2943.75ポイントだった。深セン成分指数は0.46%高の11335.86ポイントと5営業日続伸した。上海、深セン両市場の売買代金は概算で6151億400万元だった。
上海総合指数は寄り付いた後、終始マイナス圏でもみ合った。前日に約3カ月ぶり高値を付けた後とあって、利益確定売りが優勢。午前中に発表された5月の消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(工業製品出荷価格:PPI)がそろって予想を下回り、内需の低迷に対する懸念も重荷となった。もっとも、中国当局の景気下支えに対する期待が根強く、下値は堅かった。
セクター別では保険が全面安。航空・空港運営、通信キャリア、石油、文化・メディアも売られた。半面、医療、製薬、百貨店の一角が高い。
A株市場では、免税店運営の中国国旅(
601888)が安い。北京の百貨店チェーン王府井集団(
600859)が財政部から免税品小売り業務の営業許可を取得したと発表したことを受け、競争の激化が嫌気された。航空大手の中国国際航空(
601111)、中国東方航空(
600115)がそろって反落。ゲーム関連の奥飛娯楽(
002292)、ディスプレー広告最大手の分衆伝媒信息技術(
002027)や、自動車メーカーの広州汽車集団(
601238)、BYD(
002594)が売られた。半面、韓国LG化学からLCD偏光板業務・資産を買収すると発表した大手リチウム電池材料メーカーの寧波杉杉(
600884)がストップ高。立訊精密工業(
002475)、歌爾(
002241)、科大訊飛(
002230)などテクノロジー株の一角や、医薬品メーカーの上海復星医薬(
600196)、不動産デベロッパーの緑地控股集団(
600606)が上昇した。
上海B株指数は0.26%安の208.73ポイントと5営業日ぶりに反落、深センB株指数は0.04%安の865.17ポイントと3営業日ぶりに反落した。