香港のフラッグキャリア、キャセイ・パシフィック(
00293)は9日前引け後、資本再編により390億HKドルを調達すると発表した。香港政府系企業のアビエーション2020リミテッドに優先株を発行して195億HKドルを調達するほか、19億5000万HKドル規模のワラント(新株予約権)を与える。また既存株11株につき7株の株主割当増資(ライツイシュー)により117億HKドルを調達する計画。さらにアビエーション2020が78億HKドルのブリッジローン枠をキャセイ・パシフィックに提供する。優先株とワラントの発行、株主割当増資の実施には株主総会での承認が必要となる。
ライツイシューとワラントの行使価格はともに1株4.68HKドルで8日終値の8.81HKドルを46.9%下回る水準。キャセイ・パシフィックは9日から株式取引を停止しているが、10日に取引を再開する。筆頭株主の太古A(
00019)も同時に株式取引を再開する。
アビエーション2020は香港財政長官法人の全額出資で香港に設立された有限会社。ライツイシューとワラントが全て行使された場合、資本再編後にアビエーション2020はキャセイ・パシフィック発行済み株式の6.08%を取得する。一方、太古Aの持ち株比率は45.00%から42.26%へ低下。2位株主の中国国際航空(
00753)の持ち株比率は29.99%から28.17%に低下する見通し。