22日の香港市場は、軟調な展開か。米中関係の悪化を警戒する投資家が運用リスクを回避すると予想する。きょう開幕する中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の内容を見極めたいとして、模様眺めムードが強まる可能性もある。トランプ米大統領は21日、ホワイトハウスで記者団に対し、全人代に提出される香港の統制強化に向けた法案について「実現すれば、強力に対処することになる」と述べた。さらにツイッターで、中国は大統領選候補のバイデン前副大統領を勝たせようと偽情報を流していると主張した。
21日のNY株式相場はダウ平均など主要3指数がそろって反落。同日の香港株の米国預託証券(ADR)は、国際金融銘柄のHSBC(
00005)とAIAグループ(
01299)、中国インターネットサービス大手テンセント(
00700)、中国4大商業銀行の中国建設銀行(
00939)、携帯通信最大手チャイナ・モバイル(
00941)など主要銘柄が総じて香港終値を下回って引けた。
もっとも、延期されていた全人代が実施されれば中国政府がインフラ投資などの経済対策を本格化させるとの期待は強い。ハンセン指数が心理的節目の24000ポイント付近で下げ渋る展開がありそうだ。21日にNY原油先物相場が続伸しており、関連銘柄の買い材料となるだろう。