14日の香港市場は前日の米株安の流れを引き継ぎ、売り優勢で始まるか。13日の米NY株式相場は主力3指数がそろって大きく下落。米中関係の悪化懸念に加え、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が講演で景気の先行きに強い懸念を示し、投資家心理が悪化した。米中関係を巡っては、トランプ米大統領が昨年5月に署名した国家安全保障上にリスクをもたらす企業の通信機器を国内企業が使用することを禁止する大統領令の期間を1年延長すると発表した。香港市場では、新型コロナ感染の第2波に対する警戒感や、あす発表される中国の主要経済指標も意識されるなかで積極的な買いが入りづらくなるだろう。
一方、売り一巡後は買い戻しの動きが広がる可能性も考えられる。香港や中国本土市場では、中国の全国人民代表大会(国会に相当)の開幕を来週に控え、金融緩和と経済対策への期待が引き続き高い。また、前日大引け後に中国IT大手のテンセント(
00700)が四半期決算を発表。事前予想を上回ったとの見方が多く、関連銘柄とともに物色期待が高まりそうだ。
なお、前日の香港株の米国預託証券(ADR)は、欧州金融大手のHSBC(
00005)、本土国有銀行大手の中国建設銀行(
00939)、アジア生保大手のAIAグループ(
01299)が香港終値を下回った半面、上述のテンセントが大きく上回って引けた。香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日終値を130ポイント超下回る水準で寄り付くことになる。