週明け11日の香港市場は米株高の流れを引き継ぎ買いが先行するか。前週末のNY市場でダウ平均は455米ドル高と続伸。米国時間7日夜に行われたムニューシン米財務長官、ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表と中国の劉副首相の電話協議を受けて、米中の対立の激化に対する警戒感が和らいだ。米国の多くの州で経済活動を再開する動きが出ていることも好感された。同日に発表された4月の雇用統計は記録的な悪化となったものの、ほぼ市場予想通りで売り材料にはならなかった。
ただ、上値は重いと予想する。香港市場では前週末8日の取引時間中に米中閣僚電話協議が伝えられており、同日の上昇で好材料はすでにある程度織り込まれた。防疫対策の緩和で新型コロナウイルスの感染が再び拡大するとの懸念も根強く、上値追いに投資家は慎重になりそうだ。中国本土では今週末にかけて4月の主要経済指標が発表されるのを前に、様子見ムードが漂う可能性がある。
なお、8日の香港株の米国預託証券(ADR)は、主力銘柄では欧州金融大手のHSBC(
00005)、中国IT大手のテンセント(
00700)、アジア生保大手のAIAグループ(
01299)が香港終値を上回った半面、本土大手国有銀行の中国建設銀行(
00939)が下回って引けた。香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日終値を70ポイント超上回る水準で寄り付くことになる。