2020-03-13 |
香港/マーケット/証券 |
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【相場見通し】続落か、世界的株安を嫌気 経済活動の停滞警戒
13日の香港市場で、ハンセン指数は前日の欧米株安の流れを引き継いで3日続落か。12日の米株式市場でダウ平均は2352.60米ドル(−9.99%)下げ、下落率は1987年10月19日のブラックマンデー(−22.61%)以来の大きさとなった。欧州中央銀行(ECB)が利下げに踏み切らなかったことで欧州株も急落した。トランプ米大統領が11日大引け後、新型コロナウイルスの拡大阻止のため、英国を除く欧州からの外国人の入国禁止を発表。ヒトやモノの移動が一段と滞り、世界の経済活動が急激に停滞するとの警戒感が強まるだろう。
株式などリスク資産を手放す動きが加速すれば、売りが売りを呼ぶ相場展開に陥る。保有資産の現金化を急ぐ投資家が増えたことで米ドル相場は上昇しており、香港を含む新興国からの資金流出につながりかねない。ハンセン指数の12日終値は2017年4月24日以来、2年11カ月ぶり安値圏だが、香港市場の関係者はもう一段の下落を見込んでいるようだ。『香港経済日報』は13日、「ハンセン指数は近いうちに23000ポイントの下値を試す」との見方を示した。
一方、中国が今週末から来週にかけて預金準備率引き下げと利下げを打ち出すとの期待が広がっている。中国本土相場が反発して始まれば、香港市場にも買いが波及する可能性はある。ただ市場では、金融緩和だけでは新型コロナウイルスのパンデミックが世界経済に及ぼす負の影響を押しとどめられず、思い切った財政出動が必要との見方が広がっている。