12日のNY株式相場は大幅続落。トランプ米大統領が前日引け後に発表した経済対策が失望されたほか、大統領が発表した欧州からの外国人の入国禁止措置などで実体経済への影響が懸念された。ECBが利下げに踏み切らなかったことで欧州株が急落したことも重しとなり、米国市場も急落してスタート。寄り付き直後に今週2回目となるサーキットブレーカーが発動された。ニューヨーク連銀が短期金融市場に資金供給を実施したことで下落幅を縮小する場面もあったが、マージンコール(追証発生)などで終盤にかけて再度下落幅を拡大した。クルーズ、空運、ホテル株が急落したほか、業種別ではエネルギー、金融が大きく売られた。ダウ平均は2100米ドル超下落後に、約1600米ドル安まで反発したが、2352.60米ドル安(-9.99%)とほぼ一日の安値で終了。下落幅は9日の2013米ドルを上回り過去最大を更新。下落率では1987年10月19日のブラックマンデー(-22.61%)以来の大きさとなった。S&P500も9.51%安と大幅続落し、ブラックマンデー以来の下落率を記録。ナスダック総合は9.43%安となり、2000年4月4日のドットコムバブル崩壊以来の大幅安となった。高値からの下落率は、ダウ平均が28.30%安、S&P500が26.90%安、ナスダック総合が26.80%安となり、前日に「弱気相場」入りしたダウ平均に続いて、S&P500とナスダック総合も「弱気相場」入りとなった。
連日の急落で、投資家の不安心理を示すVIX指数は前日の53.90から一時76.83まで上昇し、75.47で終了した。S&P500の業種指数は、エネルギーが12.30%安と下落率トップとなり、金融、資本財、公益が10%超下落。IT、一般消費財、素材、生活必需品も9%超下落した。個別ではクルーズのノルウェー・クルーズ・ライン、ロイヤル・カリビアン・クルーズ、カーニバルがそろって30%超の急落。空運のユナイテッド・エアライン、デルタ航空が20%超下落した。
海外市況
指標 寄値 高値 安値 終値 前日比 騰落率
NYダウ 22184.71 22837.95 21154.46 21200.62 -2352.60 -9.99
S&P500 2630.86 2660.95 2478.86 2480.64 -260.74 -9.51
NASDAQ 7398.58 7712.33 7194.67 7201.80 -750.25 -9.43
CME225先物 19070.00 19340.00 16835.00 17060.00 -1080.00 -5.95
FT100 5237.48 5237.48 5237.48 5237.48 -639.04 -10.87
DAX 9863.99 9932.56 9139.12 9161.13 -1277.55 -12.23
為替(ドル/円) 104.41 106.07 103.10 104.80 0.38 0.36
WTI先物 33.07 33.63 30.02 31.50 -1.48 -4.49
金(Gold)先物 1633.10 1651.00 1560.40 1590.30 -52.00 -3.17
※CME225先物は円建て。前日比は前日の大証日中終値比を記載。