週明け2日の香港市場は底堅い展開か。新型コロナウイルスの感染拡大が世界経済に与える悪影響への懸念が強まる半面、中国政府の景気対策や米早期利下げへの期待が高まっている。香港市場でハンセン指数は先週、週間で4.3%安と大幅に続落しただけに、反発狙いの買いや、政策期待の物色が相場を支えそうだ。市場では、26000ポイント付近の下値支持が強い(『香港経済日報』)との見方が出ている。
先週末に中国国家統計局と中国物流採購聯合会が発表した2020年2月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は35.7と市場コンセンサス予想の46.0を大きく下回り、過去最低を更新した。従来の最低記録はリーマン・ショック直後の08年11月(38.8)。非製造業PMIは前月より24.5ポイント低い29.6だった。新型コロナウイルスの感染拡大が中国経済への打撃が想定以上と受け止められており、国内で経済活動が徐々に再開される中、中国政府が景気対策を一層強化する公算が高い。
前週末のNY市場でダウ平均は7営業日続落し、19年6月4日以来ほぼ9カ月ぶりの安値で終えた。ただ、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が午後に発表した声明を受け早期の利下げの思惑が高まり、終盤に下げ幅を縮めた。2月27日香港株の米国預託証券(ADR)は、主力株では欧州金融大手のHSBC(
00005)が香港終値を下回った半面、中国IT大手のテンセント(
00700)、中国国有銀行の中国建設銀行(
00939)、アジア生保のAIAグループ(
01299)が上回って引けた。香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日終値を50ポイント超ほど上回る水準で寄り付くことになる。