21日の香港市場は、前日の米株安の流れを引き継いで続落か。新型コロナウイルスの感染拡大ペースは中国本土では鈍化したものの、日本や韓国などでは歯止めがかからず、世界景気と企業業績の悪化を警戒する売りが先行しそうだ。米ドル相場の上昇を背景に、資金が香港を含む東アジアの市場から米国市場へ流出する可能性も高まる。
中国人民銀行(中央銀行)は20日、事実上の政策金利とされるローンプライムレート(LPR)を引き下げた。金融緩和により景気を下支えする半面、人民元相場を対米ドルで押し下げる圧力になる。人民元建て資産の投資妙味が薄れれば、香港株の魅力低下につながりかねない。
20日のNY株式相場はダウ平均とハイテク株が主力のナスダック総合がともに反落した。同日の香港株の米国預託証券(ADR)は、総じて下落。HSBC(
00005)やテンセント(
00700)、中国建設銀行(
00939)など時価総額が大きい銘柄が軒並み港終値を下回って引けた。
もっとも、中国政府の経済対策への期待が根強く、下値は堅そうだ。ハンセン指数が20日移動平均(27389.46ポイント)を割り込めば、割安感が強まった銘柄を中心に買いが入る展開が予想される。決算や業績見通しを手掛かりとする個別物色も次第に活発になるだろう。きょうはハンセン指数構成銘柄のサンズ・チャイナ(
01928)が2019年12月本決算を発表する予定。また、大引け後には四半期ごとに行われる同指数の構成銘柄見直しの結果が明らかになる。