週明け17日の香港市場はもみ合う展開か。新型肺炎への懸念が引き続き相場の重荷となりそうだ。中国本土で発生源の湖北省を除いた地域ではこのところ総じて感染者数の拡大ベースが鈍化しているものの、企業や学校などの活動再開で再び状況が悪化することが警戒されている。半面、中国当局による景気対策への期待が根強く、下値は底堅い展開になると予想する。きょうは米市場がワシントン誕生記念日で休場となるほか、中国の金融統計、最優遇貸出金利が今週中に発表されるのを前に、様子見ムードが広がる可能性がある。香港市場では今週、ハンセン指数構成銘柄のHSBC(
00005)、中国平安保険(
02318)、ハンセン銀行(
00011)の決算発表も予定している。
中国人民銀行(中央銀行)による資金吸収も気掛かりだ。人民銀は先週、公開市場操作(オペ)で、リバースレポ(売り戻し条件付き債券購入)を通じて差し引き2800億元の短期資金を銀行間市場から吸収した。春節(旧正月)連休明けだった前週は5200億元の供給超過だった。春節連休明け後の本土市場や香港市場の反発は潤沢な市場流動性が支えだったとの見方があり、人民銀が資金吸収を続けた場合は投資家心理が悪化する可能性がある。
前週末14日のNY市場でダウ平均は続落し、ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は小反発した。同日の香港株の米国預託証券(ADR)は、欧州金融大手のHSBC(
00005)が香港終値を下回った半面、IT大手のテンセント(
00700)、中国国有銀行の中国建設銀行(
00939)、アジア生保のAIAグループ(
01299)が小幅ながら上回って引けた。