週明け10日の香港市場は軟調な展開か。新型コロナウイルスによる肺炎への懸念が引き続き重荷となりそうだ。中国国家衛生健康委員会が発表した最新データによると、現地時間10日午前0時までに全国で確認された感染者数は4万171人に上り、死者が908人に達した。飛沫や接触だけでなく、エアロゾル(空気中に浮遊する微粒子)形態でも感染するという見方が出た。新型肺炎に収束の兆しがみえないなか、きょうは上海市や広東省など多くの地域で企業が活動を再開する。Uターンラッシュで感染のさらなる拡大が警戒されている。
新型肺炎が中国の小売業や、製造業、不動産販売などに深刻な悪影響を与え、中国の1−3月期国内総生産(GDP)成長率が4%台に悪化するとの予測もある。感染が広がる中で投資家はリスクを取りづらい状況が続き、ハンセン指数は27000ポイントの下値支持を試す展開もあり得るとの見方が出ている。
7日のNY市場でダウ平均は前日比277米ドル安と5日ぶりに反落し、ハイテク株比率の高いナスダック総合指数も下げて終えた。6日の香港株の米国預託証券(ADR)は、時価総額の大きいIT大手のテンセント(
00700)、中国国有銀行の中国建設銀行(
00939)、アジア生保のAIAグループ(
01299)など香港終値を下回って終えた。香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日終値を約250ポイント下回る水準で寄り付くことになる。