7日の香港市場は利益確定売りが重荷か。前日にハンセン指数が大幅に4日続伸し、2.64%高で約2週間ぶり高値を更新した後とあって、週末を前に目先の利益をいったん確定する売りが相場を押し下げる可能性がある。新型肺炎に対する懸念も引き続き投資家心理を圧迫しそうだ。中国医学科学院の専門家は国営中央テレビ(CCTV)の番組で、「情勢は依然として厳しく、感染の拡大が転換点を迎えたと判断する根拠はない」と述べた。香港に近い広東省も感染が広がりをみせている。最新のデータでは同省で確認された感染者数が970人に上り、発生源の湖北省以外でもっとも多くなっている。
ただ、中国当局の景気下支え策に対する期待が根強いほか、米中貿易交渉が進展するとの見方も地合いを支えよう。中国当局は前日、今年1月に署名した米中通商協議「第1段階」合意文書に基づき、対米追加関税を一部引き下げると発表した。春節(旧正月)の連休前後に急落した本土A株市場の反発が続けば、買い安心感につながる可能性がある。
前日のNY市場でダウ平均が4日続伸し、3週間ぶりに過去最高値を更新。ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数と多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数もそろって過去最高値を更新した。一方、6日の香港株の米国預託証券(ADR)はIT大手のテンセント(
00700)や欧州金融大手のHSBC(
00005)、中国国有銀行の中国建設銀行(
00939)、アジア生保のAIAグループ(
01299)といった主力株がそろって香港終値を下回って終えた。香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日終値を約180ポイント下回る水準で寄り付くことになる。