休場明け29日の香港株式市場でハンセン指数は大幅に反落。終値は前営業日比2.82％安の27160.63ポイントだった。中国企業指数は3.26％安の10618.72ポイント。メインボードの売買代金は概算で1240億5000万HKドルだった。

　ハンセン指数はほぼ終日、全面安で推移し、終値は2019年12月12日以来1カ月半ぶりの安値圏だった。新型コロナウイルスによる肺炎の拡大が収束しないなか、春節（旧正月）に伴う連休中に世界の主要株式相場が下落し、香港市場でも運用リスク回避の売りが膨らんだ。香港政府は28日、感染拡大を防ぐため中国本土との人の往来を制限する措置を発表。観光や小売り、運輸を中心に香港と中国本土の経済に打撃が及ぶと受け止められた。前場に下落率が3％を超える場面があったが、下値支持として意識された100日移動平均（大引け時点で27093.25ポイント）に迫る水準では下げ渋った。

　ハンセン指数は構成50銘柄が全て下落。中国建設銀行（00939）やAIAグループ（01299）など大型金融株が相場の重荷となった。不動産株の恒隆地産（00101）と碧桂園（02007）や、中国政府系コングロマリットの中国中信（00267）の下げがきつい。カジノ株のサンズ・チャイナ（01928）と銀河娯楽（00027）は、連休中のマカオ訪問者数の減少が嫌気されて大幅安となった。

　そのほか、台湾・鴻海精密工業の子会社、富智康集団（02038）が14％を超える大幅下落。中国政府系旅行会社のチャイナトラベル・ホンコン（00308）、光ファイバーメーカーの長飛光纖（06869）、トラックメーカーの中国重汽（03808）はそろって反落した。半面、山東省政府系の原薬メーカー、山東新華製薬（00719）が27.97％高と急伸した。日清食品ホールディングス子会社の日清食品（01475）は即席めん需要拡大の思惑買いが入った。