2019-12-30 |
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中国の改正証券法、来年3月1日施行 IPO登録制を実施へ
中国の改正証券法が28日、全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会の審議を通過した。2020年3月1日付で施行する。改正証券法は226条からなる。2005年版と比較すると、「情報公開」と「投資者保護」の2章が加わり、100条以上の条文が改訂されるなど大幅な変更となった。
中国の経済ニュースサイト『証券時報網』は30日、改正証券法の特徴として証券の定義拡張、証券発行の登録制の全面実施、投資家保護水準の引き上げ、違法行為の罰則強化などを挙げた。中国証券監督管理委員会(CSRC)法律部の程合紅主任は、証券市場には幅広いセクターと多様な証券品目があり、登録制は一挙に導入できないとの考えを示した。証券法は登録制の具体的範囲と実施ペースを規定する権限を国務院に与えていると指摘し、登録制を段階的に実施する方針を明らかにした。改正点の主旨は次の通り。
◇証券の定義拡張:資産担保証券(ABS)や資産管理商品の発行と取引を証券法の適用対象に加えた。
◇全ての証券公開発行に登録制を適用:国務院証券監督管理機構が証券発行申請の登録を担い、発行審査委員会制度は廃止する。証券発行の規制も緩和し、新規株式公開(IPO)の条件を「利益を上げ続ける能力を備える」から「経営を持続する能力を備える(継続企業の前提を満たす)」へ改める。
◇投資家保護の強化:普通投資家と専業投資家を区分し、投資家権益を保護する。普通投資家と証券会社の係争の強制調停制度を導入する。中国の国情に沿った証券民事訴訟制度の導入を検討し、50人以上の投資家の委託による代表訴訟を認める。
◇違法行為の処罰を厳格化:違法に得た所得の没収を基本とするほか、多額の罰金を科す。