12日の香港市場は前日の米株高の流れを引き継ぎ、買い優勢で始まるか。11日の米NY株式相場は主要3指数がそろって3営業日ぶりに反発。注目された米連邦公開市場委員会(FOMC)では政策金利が据え置かれ、2020年も金利が据え置かれるとの見方が強まった。中国本土では20年の経済政策方針を決める中央経済工作会議が10日から開催されていることが伝わっており、景気刺激策への期待が高まっている。上海総合指数が3週間ぶりの高値圏まで上昇していることや、本土から相互取引制度を通じた香港株売買で、1カ月ほど買い越しが続いていることも相場の支援材料となるだろう。
もっとも、米中貿易協議が意識されるなかで上値を追う動きは限られるか。米国の対中制裁関税「第4弾」の発動を3日後の15日に控え、両国の協議の行方を見極めたいとの心理が根強い。米通信社の報道によると、トランプ米大統領はきょうにも政権の通商・経済顧問らと発動可否について協議を行うもよう。
なお、11日の香港株の米国預託証券(ADR)は、中国IT大手のテンセント(
00700)、アジア生保大手のAIAグループ(
01299)、本土保険大手の中国平安保険(
02318)などが香港終値を上回って引けた。香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日終値を約80ポイント近く上回る水準で寄り付くことになる。