6日の香港市場は方向感に乏しい展開か。米中貿易交渉を巡る根強い先行き不透明感に加え、来週にかけて米国や中国本土で主要経済指標が相次いで発表されるのを前に、様子見気分が強まりそうだ。米国できょう6日に11月の雇用統計が発表予定。中国本土はでは8日に貿易統計、来週に物価と金融統計が発表される。
米中交渉を巡っては、警戒感と期待感が交錯しており、15日に迫る米国の対中制裁関税「第4弾」の全面発動前に米中が部分合意できるかについて市場の見方は分かれている。中国商務部の高峰報道官は前日の定例記者会見で、「双方の代表団が緊密な意思疎通を続けている」とする一方、「第1段階の合意に達するのであれば、相応の関税引き下げが行われるべき」と強調した。また、ムニューシン米財務長官は5日、「中国との通商協議は軌道から外れていない」とし、中国と次官級電話協議を行ったと説明した。3日に合意の先延ばしに言及したトランプ米大統領は4日、「交渉がうまくいっている」、5日には「重要な協議を進めている」と発言したことも伝わった。
前日のNY市場でダウ平均が小幅続伸、ハイテク株比率の高いナスダック総合指数も小幅に上昇して終えた。同日の香港株の米国預託証券(ADR)は、欧州金融大手のHSBC(
00005)、中国国有銀行の中国建設銀行(
00939)、中国工商銀行(
01398)が香港終値を下回った半面、中国IT大手のテンセント(
00700)、アジア生保のAIAグループ(
01299)が上回って引けた。