5日の香港市場は反発して始まるか。4日の米NY株式市場は主要3指数がそろって4営業日ぶりに反発。米中貿易協議の合意期待が再び高まり、買いが先行した。同協議を巡っては、米通信社が「第1段階」で撤廃する関税額について合意が近づいたと報道。前日に合意の先延ばしに言及したトランプ米大統領が「交渉がうまくいっている」と発言したことも伝わった。香港市場では前日にハンセン指数が2カ月ぶりの安値圏まで下落した後で、自律反発狙いの買いが入りやすい環境。11月中旬以降、中国本土市場から相互取引制度を通じた香港株売買の買い越しが続いていることも相場を下支えするだろう。
もっとも、上値は重い展開となりそうだ。米中協議を巡っては米当局が予定通り15日に中国製品への追加関税を発動する可能性が依然として残っている。中国のウイグル族を巡る米中対立や、弱い経済指標などを受けた香港経済への懸念も相場の重しとなるだろう。
なお、4日の香港株の米国預託証券(ADR)は、アジア生保大手のAIAグループ(
01299)、中国IT大手のテンセント(
00700)、本土保険大手の中国平安保険(
02318)などが香港終値を上回って引けた。香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日終値を約140ポイント程度上回る水準で寄り付くことになる。