27日の香港株式市場で、ハンセン指数は小幅に反発。終値は前日比0.15%高の26954.00ポイントだった。中国企業指数は0.03%高の10620.11ポイント。メインボードの売買代金は概算で757億1000万HKドル。
ハンセン指数は小高く寄り付いたあと、前日終値付近でもみ合ったままプラス圏で引けた。米中通商協議について、トランプ米大統領とコンウェイ大統領上級顧問が相次いで「第1段階合意」への期待感をにじませたことが好感された。一方で、中国の19年1−10月工業企業利益が前年同期比2.9%減、10月単月ベースで9.9%減だったと発表され、中国の景気減速懸念も根強い。祝日となる米国の感謝祭(28日)を前に、買い控える動きも強く、終日、模様眺めの展開だった。
ハンセン指数構成銘柄では、香港独占鉄道事業者の香港鉄路(
00066)約4%高。今後の業績回復を織り込み投資会社が目標株価を引き上げたことが材料視された。時価総額の大きいAIAグループ(
01299)も買われた。半面、19年1−9月期決算が2%増益にとどまった医薬品メーカーの中国生物製薬(
01177)は4.64%安。英高級車ブランド「ベントレー」を買収するとの観測を否定した民営自動車メーカーの吉利汽車(
00175)も安い。中国社会科学院が2020年の不動産価格について「北京など20都市で下落する」と予測した影響から碧桂園(
02007)や華潤置地(
01109)など本土不動産デベロッパーの一角も売られた。
中国企業指数構成銘柄では、前日にフィットネス機器ブランド「Precor」の売却検討が伝わったスポーツ用品大手の安踏体育用品(
02020)が買われた。
このほか、情報通信ソリューション事業者の中国全通(
00633)が56.7%高。18年通年で前年比81%増益だった携帯電話ディスプレーの製造子会社が、第三者から3億元の出資を受け入れることで合意したと発表したことが好感された。前日に新規上場した中国電子商取引(EC)最大手のアリババ集団(
09988)は3%高で続伸。