14日の香港市場は軟調な展開か。香港情勢の緊迫化や米中貿易協議の不透明感が意識されるなか、リスクを取りにくい状況が続くと予想する。香港では13日も金融街の中環(セントラル)に抗議デモの参加者が集合。交通機関の運行停止が相次ぐなか、当局はきょう香港全域の幼稚園や小中学校を全て休校にすると発表した。米中協議を巡っては、農産品の購入や追加関税の扱いなどで両国の見解に隔たりがあることが伝わった。また、きょうは寄り付き後に中国で10月の鉱工業生産、固定資産投資、小売売上高が発表。事前予想を下回った場合は再び景気減速への警戒感が高まるだろう。
ハンセン指数は前日に3週間ぶりの安値圏まで下落。本土市場で1カ月半ぶりの安値を付けた上海総合指数、2019年7−9月期決算で事前予想を下回ったテンセント(
00700)のきょうの値動きも気がかりだ。一方、ハンセン指数は今週に入って1000ポイント超下げており、香港情勢や米中協議、経済指標などで好材料が出てくれば、買い戻しの期待が高まる可能性もあるだろう。
なお、13日のNY株式相場はおおむね堅調。ダウ平均とS&Pが過去最高値を更新した。一方、同日の香港株の米国預託証券(ADR)は、上述のテンセントのほか、欧州金融大手のHSBC(
00005)、本土大手国有銀行の中国建設銀行(
00939)などが香港終値を下回った半面、アジア生保大手のAIAグループ(
01299)が上回って引けた。香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日終値を約130ポイント近く下回る水準で寄り付くことになる。