8日の香港市場は神経質な展開か。中国商務部の報道官が米中双方は「協議の進展に応じて追加関税を段階的に撤廃することに同意した」と発言したことを受けて前日終盤にハンセン指数はプラス圏へ急浮上し、およそ3カ月ぶりの高値で終えた。その流れを引き継ぎNY市場でも中国関連を中心に幅広い銘柄が買われ、ダウ平均が過去最高値を更新。ただ、トランプ米政権は今のところ目立った反応を示しておらず、ロイター通信は「中国製品に対する追加関税の撤廃について、ホワイトハウス内で猛烈な反対が出ている」と報じた。米中交渉の進展に対する楽観的な見方が後退すれば、香港市場は前日に急伸した反動もあり、利益確定売りが強まる可能性がある。
きょうは中国本土で10月の貿易統計が発表される。市場予想は米ドル建て輸出が3.9%減(前月実績は3.2%減)、輸入が8.9%減(同8.5%)。もっとも、ここ数カ月は実績が予想と大きくずれることも多く、貿易統計の内容が相場の波乱要因にもなり得る。
7日の香港株の米国預託証券(ADR)はまちまち。主力株ではIT大手のテンセント(
00700)、アジア生保のAIAグループ(
01299)、中国保険大手の中国平安保険(
02318)が香港終値を上回った半面、欧州金融のHSBC(
00005)、中国国有銀行の中国建設銀行(
00939)、中国工商銀行(
01398)が下回って引けた。香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日終値を約70ポイント近く下回る水準で寄り付くことになる。