6日の香港株式市場で、ハンセン指数は小幅ながら5営業日続伸。終値は前日比0.02%高の27688.64ポイントだった。中国企業指数は0.15%安の10860.86ポイント。メインボードの売買代金は概算で728億6000万HKドル。
ハンセン指数は相場全体を動かすような新たな取引材料が乏しく、方向感を欠いた展開に終始。反落して寄り付いた後、前場はほぼマイナス圏で推移し、後場に上げ幅を拡大した後は前日の終値付近でもみ合って引けた。指数が約3カ月ぶりの高値圏にあることから、目先の利益を確定する売りが出る半面、米中通商協議の進展や中国の金融緩和への期待感から、時価総額が大きいアジア生保大手のAIAグループ(
01299)や総合金融グループのHSBC(
00005)が相場を支えた。
ハンセン指数構成銘柄では、乳製品大手の中国蒙牛乳業(
02319)が約6%の大幅安。ゴールドマン・サックスが同社の下期粗利率について原料乳価格の上昇などを背景に縮小する見通しを示したことが影響した。前日高かった石炭最大手の中国神華能源(
01088)、UBSが投資判断を引き下げた民営自動車メーカーの吉利汽車(
00175)も売られた。半面、香港不動産デベロッパーの新世界発展(
00017)や九龍倉置業地産(
01997)、新鴻基地産(
00016)が高い。石油国有3大手から油ガスパイプラインのネットワークを引き継ぐ新国策会社「国家油気管網公司」について、投資銀行の中国国際金融が年内にも発足と伝えたことから、シノペック(
00386)やペトロチャイナ(
00857)などの石油株も買われた。
中国企業指数構成銘柄では、前日高かったインフラ建設大手の中国中鉄(
00390)が安い。一方、生保中国最大手の中国人寿保険(
02628)、A株の株式新規公開(IPO)に向けて公開価格を発表した中国版ゆうちょ銀行の中国郵政儲蓄銀行(
01658)が買われた。
このほか、中華料理2チェーンの買収計画を発表した火鍋料理チェーン大手の海底撈国際(
06862)が3%安。一方、子会社が米国で行ったメラノーマ(悪性黒色腫) ワクチンの治験データを8日に報告すると発表した長江グループのバイオ企業、長江ライフサイエンス(
00775)が、成果への期待から前日終値比約2.5倍と急騰した。