31日の香港市場は前日の米株高の流れを引き継ぎ買い優勢で始まるか。30日の米NY株式相場は主要3指数がそろって反発。注目された米連邦公開市場委員会(FOMC)で、米連邦準備理事会(FRB)は政策金利の引き下げを決定。パウエル議長が今後の利下げの可能性を排除しなかったことが好感された。米中貿易摩擦を巡っては、11月中旬のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせて両国首脳による「第1段階」の最終合意が見込まれていたが、APEC主催国のチリが国内情勢を受けて開催を断念。ただ、米ホワイトハウスは引き続き11月中の合意を目指すとの声明を発表し、中国もマカオで合意文書の署名を行うことを提案したことが伝わった。香港市場では米中協議の進展期待に加え、四半期決算の発表を手掛かりとした個別物色も引き続き相場を支える材料となるだろう。
もっとも、買い一巡後は上値が重くなるか。中国ではきょうまで中国共産党第19期中央委員会第4回全体会議(4中全会)が開催。中国の経済指標の発表では、きょう寄り付き前に国家統計局による10月の製造業購買担当景気指数(PMI)、あすには財新製造業PMIが控えており、結果を見極めたい投資家の様子見ムードが相場の重しとなるだろう。
なお、30日の香港株の米国預託証券(ADR)はまちまち。欧州金融大手のHSBC(
00005)やアジア生保大手のAIAグループ(
01299)などが香港終値を上回って引けた半面、決算発表を行った中国石油メジャーのペトロチャイナ(
00857)やシノペック(
00386)などが下回って引けた。