29日の中国本土株式市場で上海総合指数は3営業日ぶりに反落。終値は前日比0.87%安の2954.18ポイントだった。深セン成分指数も0.57%安の9746.03ポイントで3営業日ぶり反落。上海、深セン両市場の売買代金は概算で5389億8100万元だった。
上海総合指数は小安く寄り付いた後、終始マイナス圏でもみ合い、後場に下げ幅を拡大した。前日が約2週間ぶりの高値で終えたことから利益確定売りが優勢だった。中国政府系シンクタンクの中国社会科学院がきょう発表した「経済青書」で、2019年通期の国民総生産(GDP)成長率を、5月末時点の6.4%から6.2%に引き下げたことも投資家心理を冷やした。また、昨日から始まった中国共産党第19期中央委員会第4回全体会議(4中全会)で今後、打ち出される政策の行方や、31日に発表される製造業購買担当景気指数(PMI)を前に積極的な買いは手控えられ、決算発表や業績見通しを手掛かりとする個別銘柄の物色が続いた。
セクター別では、通信キャリアと証券が全面安。造船、貴金属も安い。半面、公共インフラ、農林水産、酒造が買われた。
A株市場では、証券大手の海通証券(
600837)、国泰君安証券(
601211/
02611)、中信証券(
600030)、招商証券(
600999)が安い。IT総合サービスの紫光(
000938)、LCD用ガラス基板メーカーの東旭光電科技(
000413)、音声認識技術大手の科大訊飛(
002230)、スマホ用光電子部品大手の欧菲光集団(
002456)といったハイテク銘柄も大きく売られた。半面、きょう決算を発表した豚肉加工最大手の河南双匯投資発展(
000895)がストップ高。医薬品の上海復星医薬(
600196)や雲南白薬集団(
000538)、白酒ブランドの貴州茅台酒(
600519)も買いを集めた。
上海B株指数は1.00%安の263.15ポイントと反落、深センB株指数は0.42%安の914.10ポイントと反落した。