9日前場の香港株式市場でハンセン指数は反落。前場終値は前日比0.68%安の25716.77ポイントだった。中国企業指数は0.12%安の10189.05ポイント。半日のメインボードの売買代金は概算で410億3000万HKドルだった。
ハンセン指数は前日の米株安の流れを引き継いで安く寄り付き、一時は前日の終値近くまで下げ幅を縮めたが勢いは弱かった。トランプ米政権が中国の28企業・機関に事実上の禁輸措置を適用したほか、少数民族政策に関わる中国の政府高官と家族に対し査証(ビザ)発給制限を決めたことも伝わり、米中対立の激化懸念が再燃。10日から開催される米中閣僚級通商協議への期待感が後退し、主力銘柄を中心にリスクオフの売りが先行した。国際通貨基金(IMF)のゲオルギエワ専務理事が「米中貿易摩擦によって2020年の世界経済の成長率は1%後退し、7000億米ドルの損失をもたらす」と悲観的な見解を示したことも投資家心理を冷やした。
個別では、時価総額が高い生保アジア大手のAIAグループ(
01299)や中国IT大手のテンセント(
00700)が売られ、相場の重荷に。AIAグループ(
01299)は取引時間中として約4カ月ぶりの安値をつけた。スマートフォン向け部品の瑞声科技(
02018)と舜宇光学科技(
02382)も安い。HSBC傘下のハンセン銀行(
00011)や中国銀行の香港子会社である中銀香港(
02388)、上場不動産投資信託のLink REIT(
00823)など香港を営業地盤とする銘柄の下落も目立つ。半面、中国本土系不動産デベロッパーの華潤置地(
01109)や中国海外発展(
00688)、碧桂園(
02007)が買われた。