8日の香港市場は神経質な展開か。米中貿易摩擦や人民元相場の下落(元安)への警戒が続くなかで、積極的な買いが入りづらい展開となりそうだ。前日のハンセン指数は6営業日ぶりに反発。同指数のRSI(14日)が20台前半と、売られ過ぎを示唆する30以下の水準となっており、引き続き買い戻しが入りやすい状況にある。決算発表を手掛かりとした物色なども相場を下支えするだろう。きょうはハンセン指数構成銘柄の太古A(
00019)やチャイナ・モバイル(
00941)が2019年6月中間決算を発表する。
もっとも、米中摩擦の長期化による景気減速への警戒感は根強い。中国ではきょう7月の貿易統計が発表。あすは物価統計、来週には鉱工業生産といった主要経済指標の発表も控えており、結果を見極めたい投資家の様子見ムードが広がりやすい。また、人民元相場の動向も気がかりだ。中国人民銀行(中央銀行)が前日に発表した中間レートは1米ドル=6.9996元。きょうの同レートが7元台に設定された場合、中国を「為替操作国」に指定した米国との対立激化懸念がさらに高まる可能性があり注意したい。
なお、7日の米NY株式相場はダウ平均が小幅に下落した一方、ハイテク株主体のナスダック総合とS&P500は上昇。同日の香港株の米国預託証券(ADR)はまちまち。IT大手のテンセント(
00700)や本土保険大手の中国平安保険(
02318)が香港終値を上回った半面、欧州金融大手のHSBC(
00005)や本土国有銀行大手の中国工商銀行(
01398)が下回って終えた。