香港の独占鉄道事業者、香港鉄路(
00066)は18日大引け後、手抜き工事が発覚した「沙中線」(新界・沙田−香港島・中環)について、2019年6月中間決算で20億HKドルの損失引当金を計上する方針を明らかにした。同社は英国の鉄道を運営する合弁会社ファーストMTRサウスウエスタン・トレインズ(SWR)を巡って約4300万ポンド(4億3000万HKドル)の損失引当金を計上することを発表しており、6月中間決算で計上する損失引当金は計24億3000万HKドルに上る見通しとなった。同金額は18年6月中間決算と18年12月本決算でのコア利益のそれぞれ52%、22%に相当する。
「沙中線」を巡っては、大囲−紅カン(ホンハム)間が19年中に完成する予定だったが、紅カン駅に増設する東西通路プラットホームの建設工事で、床スラブの鉄筋の一部が正確に連結されていないことが18年に発覚。これを受け、開通が延期となった。なお、手抜き工事や開通の延期などに伴う損失の負担について現時点で結論が出ていないほか、香港鉄路は第三者の弁償を求める可能性もあるとした。
香港鉄路の株価は日本時間午前11時18分現在、前日比1.62%安の54.80HKドルで推移している。