12日の香港株式市場でハンセン指数は5営業日ぶりに反落。終値は前日比1.73%安の27308.46ポイントだった。中国企業指数は1.18%安の10494.78ポイント。メインボードの売買代金は概算で769億9000万HKドルだった。
ハンセン指数は相場の強気と弱気の分かれ目とされる250日移動平均を下回って寄り付き、じりじりと下げ幅を広げた。前日終値は約4週間ぶりの高値だった上、米株式相場が小反落したことで、幅広いセクターで利益確定売りが優勢だった。米中貿易摩擦を巡っては、月末のG20に合わせて開く首脳会談が協議進展の契機になるとみられていたが、トランプ米大統領やロス米商務長官の発言を受けて期待感が後退。本土相場の下落も嫌気され、ほぼ全面安の相場展開となった。香港では数万人の学生らが中心部の道路を占拠して「逃亡犯条例」改正案の撤回などを求め、現地経済への影響が警戒された。
ハンセン指数を構成する50銘柄のうち49銘柄が下落。テンセント(
00700)とAIAグループ(
01299)が2%超下げるなど、大型株が総じて売られた。前日高かったスマートフォン部品メーカーの瑞声科技(
02018)と舜宇光学科技(
02382)は急落した。自動車メーカーの吉利汽車(
00175)、香港コングロマリットの新世界発展(
00017)、香港不動産株の新鴻基地産(
00016)と九龍倉置業地産(
01997)も大きく売られた。上昇は電動工具メーカーの創科実業(
00669)だけだった。
中国企業指数構成銘柄では、華泰証券(
06886)や海通証券(
06837)など証券株の下げがきつい。空運の中国国際航空(
00753)、自動車メーカーの東風汽車集団(
00489)、BYD(
01211)は大幅に反落した。半面、インフラ建設の中国中鉄(
00390)、建材大手の安徽コンチセメント(
00914)が続伸した。