12日の香港市場でスマートフォン関連銘柄が安い。舜宇光学科技（02382）や瑞声科技（02018）、富智康集団（02038）、BYDエレクトロニック（00285）、Qテクノロジー（01478）が軒並み売られている。米中貿易戦争が激化するなか、米アップルのスマートフォン「iPhone」の生産を全て中国以外に移転することは可能だと、生産を受託する台湾・鴻海精密工業の幹部が明らかにしたと伝わった。

　鴻海精密工業の半導体部門責任者、劉揚偉氏は11日開いた投資家向け説明会で、アップルから中国から他国へ生産を移す指示は受けていないものの、顧客のニーズに応じて生産ラインを移すことができると述べた。貿易戦争が始まっていない2年前に、同社は米ウィスコンシン州に生産拠点を建設する必要性を見越していたという。「わが社の生産能力の25％は中国以外にあり、アップルが米国市場のニーズに応えられるよう支援できる」と劉氏は語り、アップルのためにインドで生産ラインを構築中だと明らかにした。同氏は、郭台銘（テリー・ゴウ）董事長は台湾総統選へ出馬する郭台銘会長の後継者と目されている。『香港経済日報』が外電を引用する形で伝えた。

　一方、米グーグルが、傘下のネストの温度自動調節器やサーバー用ハードウエアの一部生産を中国から他に国へ移転させていると伝わった。消息筋によると、米国による制裁関税と、日増しに関係が悪化する中国政府の敵意を避けることが目的だ。米国向けマザーボード生産の大半をすでに台湾に移転。米国向けネスト製品も生産を台湾やマレーシアに移したという。