11日の中国本土株式市場で、上海総合指数は大幅続伸。終値は前日比2.58％高の2925.72ポイントだった。深セン成分指数も3.74％高の9037.67ポイントと大幅続伸した。上海、深セン両市場の売買代金は概算で5654億5200万元と、前日から2000億元近く膨らみ、商いは賑わった。

　上海総合指数は小高く寄り付いた後、終日にわたりほぼ一本調子に上げ幅を広げた。指数は中盤に心理的節目の2900ポイントを回復すると、結局、5月16日以来、約1カ月ぶり高値で終えた。トランプ米大統領が20カ国・地域首脳会議（G20大阪サミット）での米中首脳会談に意欲を示し、「両国の対立点は簡単に解決できる」と述べたことを受け、米中摩擦の緩和観測が高まった。中国政府が地方債発行要件の緩和を打ち出したことによる景気対策への期待や、香港市場からの相互取引制度を通じた本土株売買がきょうまで6営業日連続で買い越しとなったことも相場を支えた。

　A株市場ではほぼ全面高の展開。資金流入を追い風に、海通証券（600837）、華泰証券（601688）、中信証券（600030）など証券株や、貴州茅台酒（600519）、宜賓五糧液（000858）など酒造株が買いを集め、相場の上昇をけん引。景気対策期待を手掛かりに、中国交通建設（601800）、中国中鉄（601390）、安徽コンチセメント（600585）などインフラ建設関連株が軒並み高。大手LED用チップメーカーの三安光電（600703）601988）、音声認識技術大手の科大訊飛（002230）、スマホ用光電子部品大手の欧菲光集団（002456）などテクノロジー関連株の上昇も目立った。中国工商銀行（601398）、中国銀行（601988）など銀行株もしっかり。

　上海B株指数は2.74％高の289.03ポイント、深センB株指数は2.17％高の938.33ポイントとそろって続伸した。